日本大震災の被害から立ち直っていく高校野球部、好選手を輩出する大学の監督、新しく発足し仕事と野球を両立しながら奮闘する社会人野球チーム、アマチュア野球界きっての名将の真実……などプレーヤー、監督に迫る記事もあれば、第1回東京五輪に関わった審判、野球中継を支えたディレクター、グラブ職人と多岐にわたる、野球にまつわる人たちのドキュメンタリーがたっぷり詰まっています。
元スカウトで、現在はBCリーグ・信濃グランセローズの取締役相談役を務める三沢今朝治の取材で明かされるイチロー（元オリックス、マリナーズほか）の高校時代の話は必見です。

モノマネがうまい野球選手としても知られた高森勇旗氏（元横浜ベイスターズ）。
そんな元プロの高森氏がドラフト候補のピッチングを受け、実際に捕ったからこそわかるドラフト候補の特徴・長所を伝え、プロレベルと比較した時の課題を指摘する。
2019年シーズンに最高勝率のタイトルを獲得した山岡泰輔（オリックス）や、54試合に登板、20ホールドし中継ぎの一角として活躍した酒居知史（ロッテから楽天へ移籍）といったプロでも主力となった投手を筆頭に、田嶋大樹（オリックス）、鈴木博志（中日）などドラ1でプロ入りし、さらなる飛躍が期待されるタイプ、大田龍（巨人）、立野和明、鈴木健矢（ともに日本ハム）、松岡洸希（西武）など2020年新人選手とさまざまな投手が登場します！

プロ入りする前の“あの選手の評価はどうだった？”がわかります。
特にスカウト歴が長く、当時各球団のスカウトのトップに立つ“スカウト部長”のコメントは信頼度高し。
選手一人ひとりへのコメントだけでなく、小さい枠でのコメントにも注目を！
明徳義塾高校時代はエースで4番の岸潤一郎を、バッティングのみならず、走力の面も山下哲治氏（当時巨人スカウト部長）は評価していたり、と隅々まで興味深い言葉が満載です。

スカウト的観戦を続け20年以上の蔵建て男が、「スカウトとは？」をたずねる連載。
比較すると若手の部類に入るスカウトから、いまは一線からは引いたレジェンドスカウトまで、「スカウトの正解はない（必ず活躍する選手はわからない）」と言いながらも、拠り所にする個々のスカウト哲学を語っていただきました。
試合だけでなく、練習まで見に行き、プレー以外の態度、行動もしっかりチェックしたり、母親がどんな人かまで見て、指名するかどうかを決める……かなり深い人間観察をしていることがわかります。

NHK-BSで放送される『球辞苑』でレギュラーとして出演するキビタキビオの真髄、ストップウオッチで野球に関するあらゆるプレーを計って興味深い考察を展開する連載。
基本の一塁駆け抜けタイムはもちろん、甲斐キャノンでまた注目された捕手の二塁送球は、早くからモーションのタイムとリリースされてからのタイムをわけて計測していました。
最近の流行は「ホームランの滞空時間と飛距離からわかるタイプ別分析」。
滞空時間も長く、飛距離も出る“普通の”ホームランだけでなく、違う弾道でのホームラン、飛距離は出ないけど、滞空時間は長めの“放物線を描く”ホームランといろいろなホームランが打ててるようになったらタイトルが獲れるようになる、という考察や本塁打の質の変化を分析しています。
もちろん現在のプロ選手のドラフト候補だった時代の話もたっぷり読めます！